−昇る龍−六話「巻き込まれんだよ」

龍也は走った、

靴はすり減って泥だらけだった、


鳥居が見えて来た、

龍也は立ち止まり大きく深呼吸してゆっくり歩き始めた、


階段を上がり、境内の横にある、古ぼけた小屋を見つめた、


そして龍也は腕時計を見て驚いた、

今の時間は19時、龍也は9時間近く本を読んでいたのだ、


確かに周りは暗い、龍也は「ねーちゃんに殺されるな・・・」と呟き


龍也は酒蔵のドアを開けた、


中では三人の男が酒を飲んでいた、

一人は頭にバンダナを巻いた男で榊と同じ年位の男、
また一人はねじりハチマキを巻いた、魚屋の店主だった、


「お?龍坊どーした?」
榊が不思議そうに聞いた、

「酒はまだ早ぇーぞ?」
魚屋が言った

「ああ、今日はちょっと急ぎの用事で榊のオッサンに・・・」

そこまで言うと榊が
「オッサン言うな!」
と叫んだ、大きな笑いが起こった、


「で?」「なんの用だ?」
榊が探るように言った

「外で」
そう言うと龍也は外に出た、


「なんだ龍坊、そんなに大事な話なのか?」
榊がふらつきながら笑って言った、

「ああ」
少しタメて龍也は言った





龍神伝説について」

榊の笑いが止まった

「お前それどこで・・・」

「駅前の本屋」

龍也は榊をゆさぶった

榊は大きなため息をついた

「ふぅ・・・全部知ってんだな?」

「ああ、勿論」

榊は黙りこくった

「ビジョンは・・・見たんだな」
榊は絶望の淵にいるような声を出した、

「見た、だが俺には知らない事が多すぎる」
榊はちょっと間を置いて話始めた

龍神の使者ってのは伝説どおり、世界を救う存在だ、だがその反面、犠牲も多い」
「犠牲?」

榊は遠くを見てまた話し始めた、目には涙が光っていた


「いやおうなしに巻き込まれんだよ、周りは」

「・・・」


龍神の使者には選択肢がある、選択次第ではさけられる」

「お前なら出来る頑張れよ」

そう言うと酒蔵に入っていった


龍也は帰る事にした
とにかく帰って今日の事を整理しようと思った








    続く















最近ひぐらしにハマってます、
そして今初詣に来ています、ってそんだけじゃね〜