−昇る龍−五話「龍神伝説」

昨夜の出来事からちょうど7時間たったころ
龍也は古い本屋の前にいた、

そう、ビジョンの中で見た、駅前の本屋だ


看板は傾いていて
店の横の駐車場にはチェーンがかかっていて中には汚れた白いバンがあった、
店の奥の方には、店長の舎弟や友達がいつもいる、龍也や木二郎もたまに来ている

「ちーす」
龍也は外れた扉をこじ開けながら中に入った

「いらっしゃ・・・龍也?今日は月曜じゃねーぞ?」
本屋の店長が言った

店長は二十五歳筋肉質でいつもキャップをかぶっている、二十歳の頃に父のやっていた本屋を継ぎけっこう上手くやっている


「わーってるよ」
龍也はあたりまえ、というかんじで答えた


奥の方にいた男達が
「龍也!お前曜日もわからなくなったか!?」
と言ってきた

「ミー兄うっせぇ!」
龍也が煩わしげに言った

「で?何か用か?俺は忙しいんだが」
店長がおどけて言った
「どーせ麻雀するだけだろ!?」
漫画のツッコミのようなタイミングで龍也が言った


「いいから、用件は?」
店長が目線を変えながら言った


「ああ、龍神伝説の本置いてる?」
やっと本件を伝えられた、ホッとしながら言った


龍神伝説ぅ?お前はおこちゃまか?」
店長がバカにしながら言った

周りから笑い声が上がった


「シバくぞゴラァ!!!」
龍也が吠えた、


「はいはい、龍神伝説ね、にしても何で龍神伝説を?」
店長は片手間に言った

「いろいろとあってな・・・」
龍也はいろいろな事を言わなかった


店長は何も言わないで暗い本棚の中に消えていった


それから数分たって店長が戻って来た


「はい、存分に立ち読みして下さい、坊っちゃん
店長がまたバカにしたように言った、


「Thank You」
と言ったあとすぐに古い表紙の本に手をつけた

だが内容は飛龍町に住んでいる人なら誰しも知っている内容だった

世界の危機に龍神様が地上に舞い降りる

そして龍神様は自分が認めた人間に危機を伝える

そしてその人間は龍神様の加護の下世界を危機から救う



いくら読んでも有力な情報はなかった、15冊目の本に手をかけた
その時15冊目の本の表紙に目が止まった

そこには「龍神の使者、名簿」と書いてあった

少し読んでみると306ページに見慣れた名前が書いてあった

「これは・・・」



そこに書いてあった名前は、


榊城友貴


「榊のオッサン・・・」
龍也は驚きを隠せなかった、


「店長!榊のオッサン今どこにいるかわかるか!?」
大声で言った


「あ、あーっと今の時間なら自分の酒蔵でウチのジジイと酒盛りしてると思う」
店長は少し驚きながら言った、


「くっ!」
龍也は扉を蹴破ると全速力で走った





    続く













ワンピーベリーマッチはおもろいのでみんなやってみてね

じゃ、さいなら〜