ギライド 塵煙の中に1
ゴォォォォォォォオッ・・・
荒野に吹く乾いた風が俺を直撃する
風よりも乾燥した地面が一歩ごとに亀裂が入る
バンダナを結んだ端が揺れる
サングラス越しの視界が薄らと脈打つ
1458ホプルス(2000円)で買ったジャージが砂で変色する
くわえたタバコは後方に飛ばされ、新しく火を点けなおす気もしない
ベルトに差してある幅広の剣がズシリと重い
此処は『ホープ』の東端『レポート荒野』
未確認のモンスターや、様々な現象が観測されている、まさに未開の地である
本来なら、マシンガンやライフルを装備しても危ない第一級危険区域
其処をたった一振りのサーベルだけで歩く男がいる
煤けたバンダナ
砂まみれで曇ったサングラス
ボロボロのマント
薄汚れたジャージの上下
安物のサーベル
旅人とと表情するにも些か粗末過ぎる服装
バンダナからはみ出した金髪が突風に晒される
この男の名はB=F=ギライド
世界を救った小隊、ホープ連合軍第751番隊神王獣士隊
縮めて神王獣士と呼ばれる伝説の小隊のリーダー格の一人、『死神ギラ』
ダーム=アッシュ=ギラングの一番にして唯一の弟子である
そんな彼が何故こんな辺境の地に居るのか
それは、数ヶ月前に寄った軍での話である
放浪の旅に出ていたギライドは、たまたま見付けた軍の駐屯地に足を運んだ
その軍は、かつて師が努めていたホープ連合軍であった
運命を感じたギライドは、軍の指揮官にコンタクトを取ろうとするが軍側は拒否
まさかの武力行使にまで発展してしまったのだ
其処にてギライドは生涯の友に出逢う
名はグリール、当時1051番隊の隊長を努めていた男だった
グリールとの戦い、グリールの必殺技『大狼の斬撃(スラッシュ・ゴグライド)』を上手くいなし、力を見せ付けたギライドは指揮官とのコンタクトに成功する
指揮官の名は、バルグ
かつて神王獣士のメンバー『新獣バルグ』であった
だが、二人は話をする間も無く戦場へ向かう羽目になる
ホープ、ラック、レール
この三つの国に合わせて2000もの研究施設を持つ大企業スクエア
そのスクエアの実験体が駐屯地付近の都市に現れる
バルグやグリール、『バーサクドクター・ライジ』
そして様々な人々の助けにより、スクエアの実験体は撃破された
だが、脅威は終わっていなかった
その実験体を送り出した施設を捜査しに行ったギライドたちを待ち構えていたのは、スクエア幹部のスライ=クロス
その恐るべき強さ、そしてとある真実を知ったからだ
スクエアの世界破壊
これを阻止するため、グリールとギライドはお互い力を付け、数年後スクエアに挑む事を約束した
そして、今
ギライドの下に一通の連絡が来た
師のかつての親友、サリエス=ノエガがレポート周辺の街に居るという
ギライドはスクエアの件を相談し対処法を練ってもらおうと、レポート周辺の街『サーバーガ』を目指していた